クラブ系音楽イベントが目白押しなバンコクで、バンド系音楽イベントも隙間を縫うように企画されている。
以前は多くの企画集団によって盛んにおこなわれていたバンド系音楽イベントだが、ひとつ消え、ふたつ消え、今やポツポツとしかイベントがおこなわれなくなってしまった。
タイのインディーズシーンを盛り上げてきた「S.E.X.Y.(South East Xtra-ordinary Youth)」。

彼らの企画はライブバーだけでなく、イタリア料理店や映画館など「まさか、こんなところで!!」といった場所でもおこなわれていた。
エモーショナルハードコアのGhost Story、メロコアのHappy Buddha (R.I.P)など、バンコクで見られなかったようなジャンルのバンドを排出した集団でもあった。
ファラン二人とタイ人一人の三人で運営される「Mind The Gap」。

一時期は、自らが店のオーナーであった「Tube」にて毎週企画をおこなうという精力的な活動をしていた。
BattlesやBuzzcocksなど、ここバンコクで見ることができるなど想像もしていなかったバンドを招聘し、バンコク中のロックファンを狂喜させた。
音楽レーベルも所有しており、Abuse The YouthやTabascoなど、ストレートなロックを聴かせる若手バンドを抱えている。
アメリカ人のエディーおじさんが主催する「Scream Loud」。
四方八方に張り巡らされている彼のアンテナにより企画されたイベントは、タイ人バンドあり、ファランバンドあり、日本人バンドあり、と、とにかく多彩な顔ぶれだった。
自身が所属していたバンド Blood Thirst Spider (R.I.P) も、ギターはフランス人、ベース・ドラムはタイ人など、国籍を超えて音楽を共有するエディーさんらしい多国籍ぶり。
上記3つの企画集団によるイベントは、今やバンコクの街で見ることはほとんどなくなってしまった。
それぞれ、諸々の事情があるのだろうが、新進気鋭のバンドを次々と輩出していただけに、いやはや、残念でならない。
一方、定期的ではないが、バンド系音楽イベントを継続しているのは以下の企画集団。
以前もこのコラムにて紹介した、日本人がレーベルオーナーの「SO::ON DRY FLOWER」。

こちらは、基本は音楽レーベルとして位置しているのだが、イベント企画も素晴らしく、先日はイギリスからMogwai、日本からtoeを招聘してイベントをおこなった。その前は日本からeastern youthを招聘しており、日本のインディーズが好きな層には、膝を打つくらいでは喜びの表わし方が足りないくらいのアーティストを呼んでくれる。所属しているバンドも尖ったバンドが多く、音源もライブもどちらも楽しめるという希有なバンドがそろっている。
DJ、バンド、アーティストが入り乱れて音楽を奏でる「delicate decibel」。
出演するのは、主に、エレクトロニカ、ポストロック、ドラムンベース、テクノなどを奏でるアーティストたち。
借りきったビルの各フロアーでバンド系イベントとクラブ系イベントを同日同時開催してみたり、毎日場所を変えて4日連続でイベントをおこなったり、アイデアに富んだ活動が目立つ。
そして、定期的に開催をしているのは以下の企画集団。
タイの業界人が夜な夜な集まってああでもないこうでもないしている「Cosmic Cafe」。

RCAにあるこじんまりとしたライブバーなのだが、オーナーであるゴンさんの人脈も手伝って、「OUTSIDE-IN LIVE」名義でおこなわれるイベントは各ジャンルの著名人が次々と出演。
こじんまりとしているおかげで、アーティストの熱気を感じられる距離でライブを見ることができる。
ボクも在籍するバンド「COSMOZ」と、ハードコアパンクバンド「Low Fat」が共同で開催するイベント「U are heré」。
「国籍」「レーベル」「ジャンル」を問わず自らの楽曲で勝負しているインディーズバンドを集め、純粋に皆で音を楽しむ為のイベントにすべく、試行錯誤を繰り返している。
基本、毎月開催しており、「良い音楽は無条件に良い」というコンセプトのもと、毎回毎回、多彩なジャンルのアーティストに参加してもらっている。轟音ロックが始まったと思ったら、次はしとやかなフォークが流れ、最後エレクトロニカでしめる、みたいな。
バンコクには、インディーズバンドがライブをできる場所自体が少ないうえに、こういったインディーズバンドを集めて企画をおこなう集団も少ない。
日本では、ライブハウスも相当数あり、また、インディーズバンド自らが音楽イベントを企画するのが盛んで、それによってシーンが形成されていくのだが、バンコクではあまりそういった現象は見られない。
企画集団や音楽レーベルやライブバーが企画をし、それに乗っかる形でバンドがライブをおこなうというのが主流のように見える。
企画集団は、本業を持つ傍らで企画をおこなっていることもあり、時間的にも資金的にも制限がある。
音楽レーベルは、やはり、基本は自分のレーベルに所属するバンドや、それに近しいジャンルのバンドでの企画となる。
ライブバーは、騒音問題などで閉店に追い込まれることが多く、また、経営も安定的でないことが多く、いつの間にか無くなってしまう。
バンドが育ったり、継続して活動できたり、そういった土壌がなかなか出来ていないのが、バンコクの現状。
願わくば、安定的にライブが出来る場所が出現し、バンド系音楽イベントもどんどん盛んになっていき、新進気鋭なバンドが数多く現れ、もっともっと面白い音楽が生まれていけばいいと思う。
さて、そのために、ボクは、ボクらは、何ができるのか。
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DUDE更新 – コラム「地上の静寂、地下の轟音 / 第八回 バンコクのバンド系音楽イベント」by GINN (COSMOZ) http://t.co/y6Q1wKP1
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