TEERAYUT “TRK” PUCHPENインタビュー

最近アートシーンにおいて若手アーティストの活躍が目覚ましいタイ。その中でも特にグラフィティ、CG、シルクスクリーン等様々な手法で独自のスタイルを表現し人気が高いトゥン (THUN/ TEERAYUT “TRK” PUCHPEN)。1981年生まれ。タイの国民的バンド「CARABAO」の27周年記念プロジェクト、タイガービールによるTIGER TRANSLATE、BACC (バンコク・アート・アンド・カルチャー・センター) 等のアートプロジェクトに数多く参加。彼自身、タイのアートシーン等について話を伺った。

DUDE:がっちりとした体格からどっしりとした雰囲気があるんだけど、話すととても礼儀正しく、やんわりとして、優しい。私自身を含めてこのギャップに驚く人が結構います。さらにトゥンのダークでひねりの効いた絵を見てまた驚かされる。絵を通じて自身が秘めている陰の側面を表現しているのですか?

Mad Society Qeen

子供のときは静かだったんだ。自己表現ができなかった。今では絵が自己表現するための媒介。そう、絵を描いているときは、自身が抱える暗部を最高の形で表現するにはどうしたらいいか考えてる。

DUDE:トゥンのスタイルは特徴があるから一目見るだけでトゥンの作品だと分かります。自身のスタイルを確立し、自己表現の媒介として満足できる絵を描けるようになるまでどのくらいかかりましたか?

自分がどういった方向に行きたいかは分かっていたんだけど、実際に今のスタイルに行き着くには時間がかかったよ。特に周りに認めてもらえず余計に時間がかかった気がする。映像情報の専門学校「SAOWABHA VOCATIONAL SCHOOL」 に行ったけど、成績悪かったんだ。先生達は僕の絵が好きじゃなかった。絵には水彩、油絵、リアリスティック、色々スタイルあるけど、悲しいことにタイでは先生の視野が狭くて僕は認めてもらえなかった。年を重ねるにつれ、僕の絵はもっとダークでハードコアになってきたけど、僕のスタイルを受け入れてもらえないフラストレーションが常にあったし、悲しかった。専門学校は卒業したけど、その後大学は辞めたんだ。絵を提出したら目の前で捨てられたり、「誰を雇ったんだ?」とさえ先生に言われた。「自分で描いた」と答えたら、「誰の絵を真似したんだ?」って。本当だよ。

それでもアートに対する情熱はなくならなかったので、とにかくアートと関係のある仕事を探した。MICHAEL PAUL YOUNG (マイケル・ポール・ヤング) が最初に自分のアートを分かってくれた人だと思う。マイケルもアーティストで、「YOUWORKFORTHEM」というデザイン会社の共同創立者の一人。1年間彼のアシスタントとして働いて、コンピューターアートや沢山のことを教えてもらって、手掛けるアートの範囲が広がった。

DUDE:絵を描き始めたのはいつ?

子供のときから。母側の祖父母は寺院の彫刻家なんだ。タイの寺院でよく見られる詳細な彫刻あるでしょ?ああいいの。母側の曾祖父は美術学校の校長だったし、美術に深く関わっている家系なんだ。皆タイの伝統芸術派だから、母以外は家族の誰も僕のスタイルをサポートしてくれないけどね。

DUDE:特に影響を受けたアーティストは?

ジム・フィリップス (80年代のスケートカルチャーを代表するアーティスト)とMAMAFAKA (ママファカ。タイ人アーティスト(「ほら、このくらい好きなんだ。」と腕に彫ったMAMAFAKAのタットゥーを見せてくれました。)。

MEDUZA KILL

DUDE:ではちょっと話を変えて、トゥンがシリーズとして手掛けたDUBWAY (*) についていくつか質問します。DJ DRAGON (Homebass Communications) とはどうやって知り合いましたか?
(* DUBWAY – DJ DRAGONが中心となって月に1度のペースで開催されているバンコクでは数少ないダブステップパーティー。音楽だけではなく、アートワークにも力を入れ、DUBWAYファミリーを形成している。フライヤーデザインをシリーズで担当したのはトゥン、QOTAROO等。今後タイを代表するストリートアーティストの一人P7も予定されている。)

ドラゴンがダブウェイを始めたけど、パーティーのコンセプトにぴたりとくるアートワークを担当できるアーティストが誰もいない。最初にダブウェイのフライヤーを作ったのが僕の友達のQBIC QUEEN。ドラゴンに「トゥンしかダブウェイの絵を担当できる人はいないと思う」とドラゴンに紹介してくれた。

DUDE:ダブウェイのフライヤーデザインの仕事はどうだった?

すっげー楽しかった。ドラゴンが、何の制限もなしでとにかく好きなことして、って。ドラゴンはタイ人だけど海外育ちなところもあって、ちょっと他のタイ人とは考え方が違うんだ。ゲストDJについて調べたりして、イベントに合うものを作ろうと努力したけど、本当に好きなことをさせてもらえたよ。

DUDE:じゃ、ダブステップ好き?どんな音楽を聞きますか?

ダブステップも好きだよ。ロック、ラップ、特にRAGE AGAINST THE MACHINE。

DUDE:タイの若手アーティストがアーティスト同士でコラボしたり、「FOR」のようにチームとしてアートプロジェクトを手掛けたり、音楽レーベルや衣料系ブランド等とのコラボ(トゥンの場合「DUBWAY」やスケボーブランド「PREDUCE」等)がどんどん増えてきているように思います。このような動向によって、アーティスト達がもっと一般人に認識してもらえるようになってきたと実感してますか?

コラボは確かに増えてきていて、確かに僕達アーティストにとっても、コラボする他産業にとってもメリットがあるよ。この前タイ北部のペチャブン県に行ったんだ。バイクでビーッとのどかな田舎道を走ってたらスケーターキッズに「あ、PREDUCEの人だ!」って言われて嬉しかった。僕もMAMAFAKAも他産業とのコラボで以前より名が知られるようになってきた。

MMFK RIDE A LIFE

DUDE:現在のタイのアートシーンについてどう思いますか?

ますます進展してると思う。MAMAFAKAやP7のような自分の身近にいるアーティストを見ていても、急速に認知度が上がってる。でも他国に比べて遅れているのではなくて、好みが違うから僕のようなダークな絵はなかなか受け入れてもらえないのが残念。それでも今年は良い年になるよ。或るフランス人がどかっと投資してくれるし、THAITANIUM (タイを代表するヒップホップユニット) のようなビッグネームとのプロジェクトもあるし。日本人のスポンサーも待ってます (笑)!

DUDE:現在手掛けているプロジェクトは?

JASPAL (タイの衣料ブランド)、5月3日からのGALERIE Nでの「FOR」としての展示会「FRIEND X ENERMY」、8月はTHAITANIUMの結成10周年記念展示会「FROM BROOKLYN TO BANGKOK」。彼らはNY育ちだからこの展示会はNYで開催されるんだ。

DUDE:過去最高に面白かったプロジェクトは?

すべて。何をやっても楽しいし、どんなプロジェクトでも機会を与えてくれてありがたい。「このコンセプトでプロジェクトやりたいんだけど」と問い合わせがあるたびにすごくワクワクするよ。

DUDE:将来の夢は?

もう今でも夢を生きている。愛するアートを通じて展示会を開いたり、多くの人と出会えたり。そうだね、外国やもっと広い世界で認識されたいかな。あえて何が足りないかと言えば、もっとアートスキルを勉強したいくらいかな。他のアーティストが色々技術を教えてくれるけど。アーティストの友達は僕が作品を上手く仕上げられなかったらすぐに見抜くし、常に最高の仕事をしないといけないからとても良い刺激になる。いい環境にいると思う。

(2012年3月29日 – インタビュアー:カニングズ多映子 / 通訳:GOLFIE TRIPAJAYAKORN)

TEERAYUT “TRK” PUCHPEN
Eメール:thunpuchpen@hotmail.com
URL:http://thunpuchpen.blogspot.com

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Posted by taeko


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